公演まで3週間!

札幌「大きな夢」の公演「あまんじゃくの桜貝」の本番まで、あと3週間となりました。コロナ禍で練習が制限されてきた中、みな精一杯本番に向けて努力を重ねています。

ところで、この話の中に出てくる、元祖「あまんじゃく」道裕さんの話は広島県に実際に伝わる民話だということをご存じですか。五日市町誌などにも物語が掲載されています。それはおおよそ以下のようなものです。

 今から600年ぐらい昔、湯葢道空(ゆぶたどうくう)という漁師が夫婦で暮らしていました。信心深くて皆に親切な二人は誰からも慕われていたそうです。夫婦の間には大変かわいがっていた道裕(どうゆう)という子がいたが、大変な変わり者だったそうです。道空さんが「船を出して釣りをしようや」というと「わしゃ、山へ行って鳥を射ったほうがええ」といい、「道裕や、山へ行って薪を拾うて来てくれんか」というと「わしゃ、ちょっくら貝を掘ってくる」と海に行ってしまったりしたということでした。里の人は道裕を「あまんじゃく」とあだ名をつけてよんだそうです。道空さんが老いて死ぬ前に道裕を呼んで「わしが死んだら、海の中の津久根島(つくねじま)に墓を建てて欲しい。これが最後のお願いじゃ」といったそうです。本心は海老山(かいろうざん)に墓を建ててほしかったのですが、親に反対ばかりしてきた子でしたから、そう言えば山に墓を建てると思って言ったことばでした。ところが道裕は「自分は今まで親に逆らってばかりだったが、せめて最後の願いだけは聞き届けて差し上げにゃ」と津久根島に渡り、手厚く葬って墓を建てたということでした。その道裕も、嵐が来た時に津久根島に渡り墓を守って帰らぬ人になったといいます。

この道裕さんを振り返る場面もこのミュージカルの見どころの一つです。その道裕さんの生まれ変わりのようなゲンタ。サチと出会い、いったいどのようになっていくのでしょう。公演を楽しみにしていてください。

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